第01回 さあ始めよう
今回は ASP.NET Core を用いた簡単なアプリケーションを作成する.
このチュートリアルで行っていることを本当に理解するには,さまざまなウェブ標準規格や ASP.NET Core の仕組みを理解する必要があることには注意が必要である. しかし,今回はとにかく「動くアプリケーション」を作成することを目標とする.バックグラウンドとなる技術についての詳細は次回以降に説明する.
ASP.NET Core アプリケーションの構成
本コースでは「ASP.NET Core」を扱うが,これを用いたアプリケーションの構成方法(≒方式)はいくつかある. 今回はそのうち以下の二つについて紹介する.
- ASP.NET Core Razor Pages
- ASP.NET Core MVC
ASP.NET Core Razor Pagesは Razorページと呼ばれるプログラミング言語(C#など)とHTMLを混ぜ書きできるフォーマットを用いたシンプルなアプリケーションの構成方法である. これは既存技術ではPHPに非常によく似ている.
ASP.NET Core Razor Pagesを用いたアプリケーションの構成方法はシンプルな反面,大規模なアプリケーションをよく整理されたかたちで作成するのに不向きである.
そこでASP.NET Core では,Model-View-Controllerパターン(もでる・びゅー・こんとろーらー-)と呼ばれる設計パターンを応用した 構成方法も可能となっており,これはASP.NET Core MVCと呼ばれる. この構成方法でもビューすなわち表示部分を作成するのにRazorページを用いる.
以降のチュートリアルではそれぞれの方式で簡単なアプリケーションを作成し,各構成方法の概要について学ぶ. なお公式サイトにも同様のチュートリアルがあるので,興味のある者は読んでみるとよいだろう. 本コースのチュートリアルは公式のチュートリアルをかなり簡略化したものである.